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の手法を取り入れて力強いものを作ってきているわけです。制度の違いもありまして、アメリカでは行政はいくらかの助成金を出すが、サービスを直接するのはボランティア団体です。これはかなり一般化しています。その中でどれだけ地域社会に効果を上げているか、価値あるものになるかを考えながら実践しています。日本ではこのような考えを持って活動するグループはまだまだ少ないようです。“してあげる”の発想だけでは、今後のボランティア活動は大きく根を張っていかないだろう、地域社会にとって意味があるものにはならないだろうと思います。
今回アナ・ミヤレスさんをお招きしたのも、現在のボランティア活動をより力強いもの、より意味あるものにしていきたいという希望をもっているからです。それではパネリストの皆さんに、実際にボランティア活動を実践している方側とそれを後押ししている方側からお話をしていただいて、相互の関連の中でどういうふうにボランティアを発展させていくのかという議論に移りたいと思います。そのような問題意識ですので、活動の中身プラスボランティア活動をしていてどのようなことで悩んでいるとか、今後どうしようか、なとも含めてお話し願えればと思います。
●「たなばた会」の活動事例
北垣ただ今から活動事例を申しあげますが、その前にみなさんにご理解いただきたいのは、高齢者の方と障害者の1人暮らしの方にはホームヘルパーが派遣され、デイサービスセンターへも週1回通所しています。しかし、様々な事情でこれだけでは身の回りの世話は十分でなく、どうしても人手が必要になってきます。このような時に「たなばた会」では会員を派遣しております。通院の介助、車椅子の介助、食事の世話、病院での洗濯のお手伝い、行政では手の届かない部分のお手伝いをさせていただいています。
活動事例に入らさせていただきます。最初はN氏。この会が発足して最初の依頼者です。N氏は障害者で月10日前後車椅子で理容所への介助をさせて頂いており、現在も続いております。次はSさん。買い物、掃除介助です。私たちは家事型援助でございますので以後は省きますが洗濯、買い物介助、食事の準備、通院介助等の依頼が多く、現在は通院介助の依頼が1番多いようです。確かに老いてきますと1人では通院するには無理があったり、耳も遠くなって病院でも自分の名前を呼ばれても聞こえないことがあったりといろいろな面で支障をきたしてきます。そんな時は会員が通院介助をして喜ばれています。
Kさんも通院介助ですが、この方はアルツハイマーで病院から自宅までの介助を行っております。ただ通院時間が午後4時30分なので、ボランティアでないと無理なようです。Kさんの家族もとても喜んでくださるので、私たちもそれを励みに頑張っております。田中ありがとうございました。北垣さんのところは無償で行ってると聞きましたが、メンバーの方は会費をとっているのですか。
北垣 会員1人にっき月100円、年1200円の会費をいただいており、会の運営費用に当てています。
田中 それでは次にタイムダラーを日本で実践されているヘロン久保田さんにお願いしま

 

 

 

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